遺産の一部分割とは
遺産の一部分割
遺産分割協議をする時点で、全ての財産・借金を洗い出し、全部について同時に分割の協議をするのが理想的ですが、「財産の一部の不動産だけ分割で揉めている」「早急に現金が必要で預貯金だけでも分割したい」などの事情が出てくることもあるかと思います。
遺産相続をする場合、相続財産について一部だけ遺産分割をする事は出来るのでしょうか?
できる!?できない!?一部分割
結論から言ってしまうと、一部の財産だけを分割する事は可能です。
相続発生後は、遺産は相続人の共有状態になりますから、相続人全員が合意するならば、分割を1回にするのか、複数回にするのか、自由に決定できる為です。
民法上も、家庭裁判所は、特別な理由があるときは遺産の一部分割の禁止ができると規定していますが、特別な理由がない限り一部分割ができることを認めています。
不動産の遺産分割を後回しにする場合は注意!
しかし、注意すべきこともあります。残りの遺産を分割する場面が、将来必ず来ますから、その分割との関係で不都合を生じる場合には、一部分割を安易にするべきでは無いでしょう。
例えば、預金のみを先に一部分割して、後で不動産を分割する場合です。
不動産は数や評価の問題上、法定相続分に従った分割が難しいです。
不動産の分割によって生じる個々の相続人の不平等を、通常は現金預金で調整すべきなのですが、先に分割してしまったせいでそれができず、結局遺産分割協議が整わないという事態を招いてしまう可能性があります。