養育費の相続
養育費とは
養育費とは、子どもを監護・教育するために必要な費用です。
一般的にいえば、未成熟子(経済的・社会的に自立していない子)が自立するまで要する費用で、生活に必要な経費、教育費、医療費などです。
養育費は、例え自己破産した場合でも、負担義務はなくなりません。
それほど養育費の支払義務は強いものなのです。
養育費を支払っている元夫が死亡!誰に請求する?
ではこの養育費について、養育費を支払っている前夫や前妻(以後、支払義務者)が死亡した場合、支払義務者の相続人に引き続き請求できるのでしょうか?
結論から言ってしまいます。
請求できません!!
色々な法律を見ると、扶養義務はかなり強く保護されているので、被扶養者に有利になるように相続人に相続されてもおかしくなさそうです。
しかし、養育費の支払いは、親子関係そのものから発生する扶養義務なので、
被相続人である支払義務者の一身に帰属する義務と考えられるため相続の対象から外されました。
従って、相続人に対して、養育費の支払いを求めることはできません。
しかし、支払義務者が死亡するまでの間に支払いを怠っていた養育費がある場合には、その分については単なる金銭債権と考えることができます。
よって、支払義務者の相続人に対し、金銭債権として支払いを請求することができます。
もっともこの場合、被扶養者である子も支払義務者の相続人となります。
子の相続分については自分に対する債務を相続することになりますが、それは法律上混同により消滅するので、結局その他の相続人に対し、その相続分に応じて支払いを請求できるに止まるという事になります。